★レビュー★旅のスタイルはいろいろあって良い「ひとり旅日和」

タイトルだけ見て読んで見たら、思っていたものと違っていた。

という経験ありますか?

わたしはわりとそんな場面に遭遇します。

 

旅行記かなと思って読んで見たら、小説だった('Д')

という1冊

 

 ひとり旅日和

ひとり旅日和

ひとり旅日和

  • 作者:秋川 滝美
  • 発売日: 2019/10/31
  • メディア: 単行本
 

 

自称「人見知りの女王」である日和は、極度の人見知りが災いして面接をした会社はことごとく不採用。

日和を心配した教授の紹介で入社した「小宮山商事株式会社」の総務課に努めています。

思うようにコミュニケーションが取れないため、自分に自信が持てずはっきりと意見をいう事もができません。

総務係長の仙川には怒りやすい部下としてターゲットにされてしまいます。

 

毎日のように叱責される日和は自己嫌悪に陥ります。

電話応対時の声が暗いという理由で起こられてました・・・(>_<)

そういう場合はどうしたら明るい声が出せるか、緊張せずに電話に出れるか等々をアドバイスするべきなんですよ。

一緒に練習するとか。・・・上司失格。

 

そんなある日、会議室の片づけに行ったら社長の小宮山が日和を待っていました。

実際のところ日和が来るまでは、仙川の言動に何人もの部下が辞職していたのです。

日和は我慢強く、2年も頑張っているのは評価に値すると。

わたしも同意見です。

心の病気にもならず、きちんと出社できるのは素晴らしいです。

 

パワハラすれすれで処分しづらい仙川に手を焼いている会社側にとって、日和の存在価値は大きいと思います。

とは言ってもストレスは溜まるだろうし・・・ということで小宮山にひとり旅の提案をされます。

 

なんとなく流れでスタートしたひとり旅。

熱海を皮切りに佐原、仙台、金沢、福岡。

とうとう一人で飛行機の旅まで!

先輩の麗佳のアドバイスをもらいながら、日帰り、1泊、2泊とステップアップしていきます。

ちょっとしたトラブル(人見知りならではの他人に声をかけられないで起こるトラブル)も臨機応変に対応できるようになり、そういった成長が仕事面にも反映されています。

最初は気分転換の旅が「自分の楽しみ」になり、プライベートが充実していくとそのために仕事を頑張ろう!とミスも少なくなって日和にとってはいいこと尽くしでした。

 

それにひきかえ、上司の仙川の器の小ささときたら・・・

有給休暇の取得にも日和にだけ嫌味を言ったり、わざわざ取引相手との応接時に日和の旅行先の全否定したり・・・わたしからすれば個人攻撃な上、侮辱する言葉を使っているのでパワハラにしか感じません( `ー´)ノ

そもそも有給は2019年から5日以上取得させる義務があるんですよー!!

 

そんな日和も、ひとり旅が充実してくると「上司のたわごとをスルーする」というスキルに磨きをかけていきます。

もともとロジカルな思考の持ち主で時間を無駄なく使うタイプです。

 

ひたすら日和視点の内容ですが、素直で真面目な性格なので一緒に旅をしているように楽しめます。

朝食付きのホテルで、昼食と夕食は外で食べるスタイル。

周りにお店がない旅館やホテルじゃない場合は、わたしも朝食付きにして夕食は外で食べるのが好きです(*^-^*)

 

ただ、作中でとても気になったのが神社の御朱印

写経を納経せずに御朱印をもらうことに抵抗があるようなことが書いてあって。

???

それはお寺の御朱印ではないのかしら?

気になってネットで調べても神社で納経は出てこず・・・

知っている方がいれば教えて欲しいです(?_?)

 

食事をするお店の見つけ方も、ご飯を食べている様子も、すごくほっこりしてしまいます。

本当に美味しそうに食べるので、お腹が空いてきます。

旅をしながらよく家族のことを思い出したり、お土産をあれこれと選んでいるのが可愛らしいく、保護者的な目線で読んでしまいました。

 

旅行記としても楽しめますし、日和の成長していく様を読むとスッキリした気分になります。

旅先で出会った男性との行方も変にまとめずに、日和のペースで少しずつ進めるように持って行ったエンドが良かったです。

 

続編があるといいなぁ・・・海外編、期待して待ちましょう。