クセ強めの捜査班 「パリ警視庁迷宮捜査班」

海外ドラマを観たことはありますか? 

わたしはアメリカのドラマで、刑事ものが大好きです。

ミステリやサスペンス系が多いでしょうか。

最近の日本の刑事ドラマもシリーズ化するようになりましたが、アメリカのドラマは大体シーズン10作前後ありますよね。

登場人物のライフステージの変化も観ていて楽しいです。

 

海外のドラマを観ていると、日本との文化の違いをよく感じます。

ドラマよりも小説の方が文章で登場人物の心情や嗜好、舞台背景などが細かく描かれている分日本との違いは顕著に感じるような気がしています。

 

 今回の舞台はフランス。パリ警視庁です。

 

パリ警視庁迷宮捜査班

パリ警視庁迷宮捜査班 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

パリ警視庁迷宮捜査班 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

今回の主人公は、元エリート警視正

「元」がつくのは、過去の捜査で問題を起こして停職中のため。

そのためにパートナーとも別れてしまい、どん底の状態にいる中、上司から呼び出され新規立ち上げた部署での復職を命じられます。

 

しかも新しい部署のメンバーはクセ強め(´-ω-`)

自分を定停職に追い込んだ捜査官、死神扱いされて恐れられている刑事、自分の周りをネタに売れっ子小説家になった女性刑事、アル中の老刑事、ギャンブル依存症、スピード狂にパンチドランカーの元サイバー捜査官・・・などなど。

しかも与えられた部屋は、もう倉庫じゃないの?と突っ込みたくなる有様です。

左遷だよね?と普通はガッカリしてしまうわけですが、カぺスタンは諦めない。

ガンガン捜査を始めます。

過去の気になる未解決事件をピックアップして、再捜査をしていきます。

捜査を進めていく内に別々だと思われていた事件が繋がり、さらなる殺人事件が起こってしまいます。

 

最初はバラバラな感じがしていたメンバーも、最終的には一体化となって事件に取り組んでいきます。

個々に問題を抱えていますが、それぞれに魅力的なキャラクターです。

左遷されてしまっても、そこで諦めずに(カペスタンがそうさせないように頑張るわけです)それぞれの持ち味に応じた仕事をしっかりとこなしていきます。

 

事件が最終局面に向かいつつある…そんな時、ひとつの疑惑が浮上してきます。

捜査と並行して疑惑の調査も始めていきます。ここら辺からのチームワークは素晴らしいです。

序盤に出てこない刑事たちも、終盤でちょこっと活躍してくれます。

 

部下の能力を発揮させ、やる気を引き出し、求心力もある。

カぺスタンは、まさに理想の上司です。

彼女が根気強く、サバサバした性格なのも好感が持てました。

かと言って、ものすごくメンタルが強いわけでもないです。仕事での失態後に離婚したことは彼女にとって大ダメージでした。

苦境とも思える状況をチャンスと捉えて進む姿も「仕事出来る人」でしたね。

テンポよく進んでいくストーリーは、読んでいてもわくわくしました。

伏線も適度にあり「ここでつながるのね!」となるのも心地よいです。

 

作中には、カペスタンが飼っている猫や同僚刑事が飼っている犬も出てくるのでペット好きな人は嬉しいはず。

 

さらに!

喜ばしいことに、続編ができるそうなんですよ!

楽しみです(*´ω`*)