★レビュー★名前からは想像できない内容です 国道食堂1st season

食堂って響き好きです。

レストランよりなんだか美味しくご飯が食べれそうな雰囲気があります。

なんとなく、アットホームな感じが良いのでしょうか。

 

小説の方も「食堂」と銘打っているものはついつい手を出してしまいます。

今回ご紹介するのは期待を裏切らない面白さでした。

国道食堂1st seazon 

国道食堂 1st season (文芸書)

国道食堂 1st season (文芸書)

  • 作者:小路幸也
  • 発売日: 2020/01/16
  • メディア: 単行本
 

 神奈川県ルート157沿線にある食堂。

その名も「国道食堂」まんまです。

地元の住人とトラックドライバーなどに愛されている食堂ですが、ちょっと変わっています。

 

なぜかお店のなかにプロレスのリング。

店主は元プロレスラー。

リングではプロレス以外にもいろいろ余興ができるという面白食堂です。

 

物語はこの国道食堂のお客と従業員たちが中心となった連作です。

高校時代、店主の十一さんと知り合いだった二方くんと十一さんの父親の事件が物語の主軸となっています。

まるでインタビューに答えているように進んでいくストーリーは、とても読みやすく登場人物も好感が持てる人たちばかりだったので、グイグイと読み進めてしまいました。

 

国道食堂のおすすめメニューがどれも美味しそうです。

カレーと餃子、唐揚げチャーハン、わらじトンカツ。

お腹すいちゃいます(*´Д`)

しかも温泉があって、お金を払えばお風呂に入れちゃう。

うらやましいっ。

 

店主の十一さんは、とても気持ちの良い性格でその人柄に惚れちゃいそうです。

従業員のおじいちゃん、おばあちゃんたちも十一さんの父親の代から働いているので息もぴったり。

 

登場してくる人たちも、駐在所勤務のお巡りさん、二方くんの同級生、常連客とその部下のお父さん、トラック運転手、介護士、高校生・・・と本当にいろいろな人たちが重一さんの父親の事件に大なり小なり関わってきます。

 

佐々木さんのくだりは、なんともいたたまれない気持ちになってしまいました。

悪をそのまま悪とだけ受け止めるにはちょっと辛かったですね。

この物語に出てくる人たちは、辛い過去を抱えている人も多くて傍から見たら「苦労しているな」と感じてしまいます。

逆に辛い人多くないか?とも思ってしまうのですが(´;ω;`)

 

一応は、収まりよく終わっていますがサブタイトルに1st seasonとあるので、続編が出るのではないかと期待しています。

まだちょっと謎めいたこともあるし、その後が気になる人もいますし。

 

次回作、期待してます!!