★レビュー★登場人物に惚れる「めぐり逢いサンドイッチ」

パンが大好きです。

今は空前の食パンブームですね。

食パン専門店も多く登場しています。

高級食パンはそのまま食べても美味しいです。

でもわたしはサンドイッチも大好き( *´艸`)

食パンがある時はサンドイッチを作ります。

具材は無限大にあって、組み合わせを考えるだけでも楽しい。

ご飯に合う具は大体、食パンにも合うんですよ。

 

今回はサンドイッチをテーマにした本を見つけました。

 

 めぐり逢いサンドイッチ

めぐり逢いサンドイッチ

めぐり逢いサンドイッチ

  • 作者:谷 瑞恵
  • 発売日: 2019/05/17
  • メディア: 単行本
 

 

大阪西区。

公園の前にあるサンドイッチ専門店「ピクニックバスケット」は、笹子と蕗子の姉妹が営んでいます。

 

いろいろな人の視点で描かれていますが、妹の蕗子の視点がメインとなっています。

元気に姉の店を手伝う蕗子、ふんわりとした姉の笹子、個性的すぎるファッションの常連客の小野寺、ピクニックバスケットのサンドイッチ用のパンを卸している「かわばたパン」の店主の川端。

お店の飼い猫「コゲ」

ピクニックバスケットを中心にこの4人と1匹、お客様たちとの人間模様がとても穏やかに描かれています。

5つの短編からなる連作で、それぞれにサンドイッチが関わってきます。

 

真面目で素直な蕗子と大らかで優しい笹子は仲の良い姉妹ですが、お互いに心の中でほんのちょっとだけわだかまりを抱えています。

そのわだかまりが最終的にキレイに溶け出し、また今日も頑張ろうと晴れやかに笑いあえるストーリーです。

 

出てくるサンドイッチも美味しそうに感じるのは、「なつかしい味」をサンドイッチにしているから。

味が想像できるから、余計に美味しいのが分かっちゃうんです。

わたしはもう、これを読み終わってからコロッケサンドが食べたくて!!

好みなのはしっとり柔らかい食パンに挟まれたコロッケサンド。

 

この本の魅力は何といっても登場人物だと思います。

蕗子はイケメンで時にクールな川端さんの評価が高かったですが、わたしは小野寺さんに夢中になってしまいました。

ファッションセンスには難がありますが、中身が素晴らしすぎて、実在していたら絶対に惚れてしまうレベルです(*^-^*)

発想が自由で、偏見もなくスーッと人の懐に入っていけてしまう。

おちゃらけているように見えて、細かい所までしっかりと見ていて鋭い。

わたしは蕗子が川端王子を笹子の相手にと願うたびに、「絶対ダメ!」と思ってしまうくらい小野寺さん押しでした。

 

逆に川端王子は、女性には優しく真面目で仕事熱心。

一見、素晴らしく見えますが・・・完璧主義者で人に仕事を任せることができず、少々視野が狭いです。

車に例えるとハンドルやブレーキの遊びがない状態。

最後の頃は少し前進していましたが・・・付き合うの大変そうだなって感じです。

 

・・・とまあ、読んでいくうちにどんどん感情移入してしまいました。

それくらい人を惹き付けてくれます。

近所にあったら、毎日通いたい。

 

タイトル通り、素敵な「めぐり逢い」のできる本です。