タイトルだけだと、自分の中では期待感ゼロでした・・・申し訳ありません(;'∀')
ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
あまりにもベタ過ぎで七尾さんの他の作品を読んでいなければ手を出さなかったと思います。
前回読んだ作品ががとても面白かったので、いろいろ読んでみたくなり、手に取った1冊です。
美人で警察庁次長の愛娘である黒井マヤとイケメン刑事の代官山がコンビを組んで連続放火事件を解決していきます。
父親が警察庁の幹部のため、態度がかなりお姫様なマヤが「ドS刑事」です。
最初はもう好感度ゼロでした。
親の威光を笠に着て、仕事をしない無能だけど無駄に威張ってる嫌な女。
というイメージだったので。
こういう設定も在り来たりな気もして、最初は失敗だったかなとすら思ったのですが・・・
読み進めていくと、そんなイメージは払しょくされていきました。
まず、被害者それぞれの描き方がうまくて惹き込まれます。
被害者が多いのでいろいろなシーンがあり飽きませんし、話が進んでいくと繋がりを見つけていけるので先が気になってきます。
共通点がない被害者たちの「悪意の連鎖」
いち早く気づいたのはマヤでした。
そして知るべき情報はしっかりと作中に散りばめられているのでマヤと同じスピードで読者も真相に気づくように出来ているんです。
ごちゃごちゃとした情報をきれいに整理してカテゴリごとにファイリングして納めてスッキリするような感覚でした。
マヤの性癖のせいで、真実の解明は代官山に託されるわけですが、マヤから多少遅れて真相にたどり着くのでここで答え合わせができます。
この時間差が、代官山と一緒に真相に気づいた人は「あ、あの時そう言えば」となるのでそこも面白味になっていると思います。
マヤをドSと感じるか、単に性格悪い女と感じるかは読み手によって違うと思います。
わたしはドSではなく、どちらかというとツンデレサイコパスなのではないかぁ・・・と思います。
少なくともドSとはちょっと性質が違ってました。
序盤はマヤの性格の悪さが邪魔して、読むスピードが鈍りましたが「マヤ、面白いな」と感じてからは一気に読み終わってしまいました。
脇を固める上司の神田や飯島もいい味が出ています。
特にアニメ好きだと面白さが増します。
サブタイトルのつけ方も秀逸です。
まさに事件の本質そのものでした。
今回は読み始めと読み終わりのギャップがありましたね。
楽しい1冊でした( *´艸`)