どんでん返しのある小説は大好きです。
今まで積み重ねたものが、ことも簡単に覆される衝撃に快感すら覚えます。
積み重ねが巧妙なほど、読了後の爽快感は増しますし、作家さんの力量が問われるところではないでしょうか。
今回は、ああー・・・やっぱりね(*´з`)・・・からのどんでん返しがすごかったです。
事実を知った後に読み返して楽しめます。
medium 霊媒探偵城塚翡翠
表紙は大好きな遠田志帆さん。
このイラストが実は本編の重要なシーンでもあります。
霊媒探偵・・・怪異系のミステリも楽しいものなので読む前はワクワク感がありました。
物語はミステリ作家の主人公香月史郎と霊媒師である城塚翡翠が、さまざまな事件を解決に導きながら未解決の連続殺人に巻き込まれていきます。
霊媒師と言っても、除霊ができるわけではありません。
降霊をして、被害者の霊を自分の体におろすくらいです。
被害者の霊も被害にあう直前のため、犯人を告げてくれるわけでなく、かなりパニック状態です。
伝わってくるのは断片的な言葉と恐怖のみ。
少ないパズルのピースから犯人を捜しださなくてはなりません。
霊感で分かっていても、実際に犯行の立証をするのは案外難しいものです。
順序立てて推理していく部分を飛ばしているわけで、理屈を後付けしている状態です。
翡翠は容姿端麗で、霊媒体質からあまり世間と関わらずに成長しました。
そのため新しくできた友人やイベントの参加などが新鮮で、リアクションが可愛らしい。
同性でもつい守りたくなるような儚さも持ち合わせています( *´艸`)
主人公の香月と少しずつ距離を縮めていく過程も、なんだか微笑ましく感じます。
なんだか恋愛小説を読んでいるような・・・ちょっとしたほんわか気分に読者を持って行った後のどんでん返しです。
どんでん返しが来て、いろいろなものが覆されるわけですが・・・
内容的にはフェアに書かれていまして。
所々に違和感を感じるようになっています。
なので「そうくるのかー!」と楽しくなるわけです(*^-^*)
気持ちも一気に盛り上がりましたね!
最後に描かれている翡翠が、本来の素の翡翠なのだろうなと思います。
それを踏まえて連続殺人犯と対峙した時の彼女の言動にせつなくなりました。
この作品は「このミステリーがすごい!」2020年版国内篇、1位を獲得しています。
本当にお見事!
まさに「このミステリーがすごい」と思わされた1冊です。
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