猫好きさんにおススメの時代小説

時代小説、読んだことありますか?

わたしは子供の頃、よく祖父と一緒に時代劇を観ていました。

その頃の(今もそうかもしれませんが)時代ものは勧善懲悪が基本で

悪者は最後には懲らしめられるので、スッキリした気持ちで見終わることが

できます。

 

時代小説も、ハードボイルド系からほっこり系までさまざまあります。

当時の文化、生活習慣、身分制度などが分からないと何故そういう風習なのか

疑問に思うこともありますね。

特に武士社会になると、役職などが複雑です。

 そういった場合はほっこり系の時代小説から読み始めるとスッと入ってきます。

 

今回、ご紹介するのはほっこり系ホラー時代小説。

あまり江戸時代の慣習等は出てこないので、読みやすいと思います。

猫が好きな方は、さらにたまらないですよ。

 

小道具屋 皆塵堂

古道具屋 皆塵堂

古道具屋 皆塵堂

 

 

小道具屋の長男である主人公の太一郎は、跡目を継ぐことなく職人として

修行していました。

跡取りの弟の急死によって、家業を継ぐべく実家に戻ってきたところから

物語は始まります。

 

今と違って、商売に限らず家督を継ぐのは長男と決まっている時代です。

長男であるにもかかわらず、外に出ていることが何かありそうですが・・・

なんと太一郎、幽霊が見えてしまう体質。

 

そのせいで、実家とも確執があるようで、父親との関係もうまくいっていません。

跡を継ぐため、同じ古物商の皆塵堂へ奉公に出ることになります。

この皆塵堂を舞台に、さまざまな事件が起こっていきます。

 

主人公の太一郎を始め、主人の伊平次や小僧の峯吉、幼なじみの巳之助、そして

大家の清左衛門、キャラが立っていて面白いんです。

伊平次はとにかく釣りが好きで、釣りが生活の中心。

峯吉は小僧とありますが、影の店長と言って良いです。

巳之助・・・働き者で裏表がなく見ていて気持ち良いですが、ちょっとおバカな

感じでしょうか。

大家の清左衛門さんは、面倒見の良いおじいちゃんですね。

 

そして鮪助。

「まぐろ助」と書いてシビスケと読みます。

皆塵堂をねぐらにしている近隣のボス三毛猫。

この子も幽霊を察知できる能力を持っています。

 

最初は、現れる幽霊を皆で協力して撃退するのかな?と思っていたのですが

太一郎自身は幽霊が見えることを認めていないので、一人で解決していきます。

ちょっとね、今まで幽霊のせいで嫌な思いをたくさんしてきたせいで、本人は

色々思う所があるんですね。

 

最終的には周りがサポートするようになりますが、一人での働きが丁寧だし

太一郎は刑事に向いている!と思いましたね(*´ω`*)

 

登場人物が魅力的なので、どんどん惹き込まれて読んでしまいます。

この巻では、太一郎の過去が明らかになっていきます。

何故、幽霊が見えてしまうのか、何故、猫や水を怖がっているのか・・・

伊平次の助けもあり、最後はうまく自分と向き合うことができる太一郎。

読み終わると「いや~良かった」と思いました。

 

そして・・・

第一作「小道具屋 皆塵堂」を皮切りにシリーズを追うごとに、どんどん・・・

どんどん 猫が増えていくんですっ(=゚ω゚)

我が家でも三毛猫を飼っているので、作中に猫が出てくると「可愛らしい」と

(・∀・)ニヤニヤ状態です。