いろいろなジャンルの本を読みます。
ファンタジーものも好きです。
このジャンルは、物事に理由をつけないとダメな方は
読みづらいかもしれませんね。
物語の世界観をそのまま受け止めないと、話に入っていけないです。
ご紹介するのは、和風ファンタジー。
烏に単は似合わない
八咫烏の一族が支配する世界。
一族の頂点に君臨する宗家。
4大貴族である南家、東家、西家、北家の姫たちが宗家の若宮の
妃候補として宮廷に召し上げられます。
正室として入内するためのそれぞれの姫の思惑が交差していく・・・
というのがざっくりとしたストーリーです。
まず八咫烏ってなあに?という方もいると思うので
Wikipediaで調べた内容を簡単に説明しますと
導きの神(神武天皇の道案内した)であり、太陽の化身とされているのですね。
足は3本あるそうです。
ここでは深く八咫烏を知らずとも、話を読んでいけますので
気になる方はさらに調べてみても良いでしょう。
4人の美女が宮廷内で他のライバルを蹴落とし、正妻になるべく
壮絶な闘いを繰り広げる・・・・と勝手に想像していました。
実際はそんなドロドロした展開はありません。
良かった。
そういう女性のドロドロ好きじゃないので。
逆に泥沼が好きな方には物足りないかもしれないです。
何故ドロドロを感じずに読めたか。
4家のお姫さまたちが、天然だったり、ストレートな性格だったり
潔かったりしたからですね。
極論ですが、性格の悪い子がいなかったのでした。
1人、性格悪いと言われてしまうかもしれない子もいますが
結局は幼さゆえに大事にいたりません。
物語は東家の2の姫が召し上げられる所から始まるので(序章は別として)
序盤は彼女を中心に物語が進みます。
この2の姫(あとで名前を授けられます)がまた可愛らしい。
てっきり天然ドジっ子2の姫さまのどたばたサクセスストーリーかと
思っていましたし、それでも十分楽しめたはずですが・・・。
途中、殺人事件なども起こってどんどん物騒な展開になっていき
最後にどんでん返し(;゚Д゚)
思わず「そう来るかー」と呟いてしまいました。
わたしが物語の中で一番好きなキャラは、西家のお姫様です。
抜群の美女で、潔く健気でワガママな所もあるけれど
なんだかんだ面倒見の良い姉御タイプ。
物語の焦点でもある若宮の妃選び。肝心の若宮自体はなかなか物語に登場して
来ないのですが所々に若宮の形跡があります。
特に2の姫たちが若宮を宮殿で初めて目にするシーンはほんの僅かな時間でも
実はとても重要だったりします。
若宮は国を統べる器の持ち主ですが、爽やか王子様タイプではないです。
勝手にそう思っていたので、気持ち良く裏切られましたね。
人によっては好き嫌いが分かれるキャラだと思います。
わたしは大好きです(*´з`)
そしてこの物語の感想としては
無自覚な自己中は本当にタチが悪い
悪意を持つというのは剣呑な話ではありますが
悪意はちゃんと悪意と認識して持っている方が救いがあります。
なまじ望めば何でも手に入るような環境で育ってしまったのも災いしてしまった
気がします。
それほど複雑に絡み合うストーリーではありませんが
読み解いていくと「ああ、あそこの部分がそうだった」と思わせるところも
多く最後まで楽しく読めました( *´艸`)